【新唐人2017年9月29日】
中国政府が、監視カメラを全国に設置して、国民をリアルタイムで監視していることが分かりました。政府は国民を犯罪から守るため、と説明していますが、ネットでは不満の声が上がっています。
中国政府が開発した監視カメラシステム「天網プロジェクト」は、通行人や車の画像をリアルタイムで自動分析して特徴を割り出します。
2000万台の監視カメラを中国全土に設置する「天網プロジェクト」は、世界最大のビデオ監視システムであると、中国中央テレビが発表しました。
同局は、この監視システムは「国民を保護する目」であり、犯罪者を検挙するためのものと述べていますが、中国のネットでは批判の声が上がっています。
ネットでは、家族が交通事故に遭った際、監視カメラの画像の閲覧を求めても拒否されたというコメントや、行方不明者の発見に全く役立っていない、などの意見が投稿されています。
中国政治ウォッチャー 張健氏:「このような大規模かつ詳細なビッグデータがあるなら、なぜ政府は年間数十万人にも上る行方不明の子供を見つけられないのでしょう。子供たちが各地に売られているのを、なぜ検挙できないのでしょう。もし本当に刑事犯罪の検挙のためであるなら、この監視システムは良いものですが、治安維持と称して利用されるとしたら、無辜の国民を虐殺する道具となり得るでしょう。」
監視カメラの真の使い道は何なのか、人々は疑問を抱いています。
吉林省長春市は数億元を投じて監視カメラを設置しましたが、2013年に乳児の殺害事件が発生した際、犯人検挙に全く使用されないため、ネットで不満の声が上がりました。
監視カメラ網は一般的な刑事事件を検挙するためではなく、治安維持のために使用されると、中国メディアが報じています。天網プロジェクトの主要任務は法輪功弾圧であると明記した中国共産党政法委員会の文書も報じられました。
天網プロジェクトは2004年、公安部により始められました。設置を担ったファーウェイ(HUAWEI)は、報告書で「2006年までに投資額は百億元に上った」と記載しています。
時事評論家 唐靖遠氏:「当時、江沢民が法輪功の弾圧を政治任務の最優先に掲げ、弾圧に要する資金に糸目はつけませんでした。監視カメラ網とネット規制は法輪功弾圧の名の下に設置されました。そして後に、弾圧の対象は政府を批判する人々全てにまで広げられました。」
ネットでは、天網プロジェクトは「人民のためと言いながら、人民を監視し某政権を守るためのもの」といった批判コメントが投稿されています。
ファーウェイの報告書によると、天網プロジェクトの前身は公安部のネット規制「金盾(きんじゅん)プロジェクト」です。
そしてこの金盾プロジェクトの主導者は江沢民の息子の江綿恒(こう めんこう)であると、経済学者の何清漣氏は指摘しています。
一部の都市では監視カメラが氾濫しており、北京や上海などでは、1本の電柱に60台近くもの監視カメラが設置されている箇所もあります。プロジェクトを巡って汚職が行われているのでは、との疑いの声も上がっています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/09/26/a1343913.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)